多すぎる取引の判断材料は敗因になり得る3


多すぎる判断材料の3つ目の罠は、FX取引の行動スピードが遅くなることです。
例えば、投資の判断材料を5つ持っていたとします。そして、その全ての判断材料が買いシグナル、もしくは売りシグナルを発した時だけエントリーするというルールを決めていたとしたら、FXによって利益を伸ばすチャンスを逃してしまうかもしれません。
何故なら、全ての判断材料が同じシグナルを発する保証はなく、その瞬間が来たとしても1年に数回程度の割合しか発生しないかもしれません。
そもそも、全ての判断材料のシグナルが一致したらエントリーするという厳密なルールを設定していた場合、判断材料の数が多いと確認して考えているうちに市場が大きく動いてしまい、せっかくのエントリーのタイミングを逃す可能性があります。
以上のことから、継続して利益を積み上げていこうと考えているのなら、1年に数度程度しか使えないようなルールは設定すべきではありません。
また、多くの判断材料を確認して考えをまとめることに時間がかかってしまうなら、自分が判断しやすい情報や分析手法などに絞って取引に利用した方が効率的です。

多すぎる判断材料の4つ目の罠は、どんなに材料を集めても為替相場を100%予測することは難しいということです。
真面目な人ほど多くの判断材料を集める傾向がありますが、このこと自体を否定するわけではありません。
できるだけ多くの情報を突き合わせて不安要素を取り除きたいと思うことや、できるだけ正確な予測をしたいと考えることは自然なことです。
しかし常に動いている為替相場について、為替が上がった理由や下がった理由を全て正確に説明できる人はいないといえます。
経済誌などで為替相場について意見を述べている専門家や、実力のあるトレーダーも、今までの経験や結果をもとに推測しているだけで、100%正確に為替市場のことを知っているわけではありません。
つまり投資で勝つことができるのは、多くある取引の判断材料の中から自分に合うものを選び、それを磨き上げて自分の投資スタイルを確立している人と、確実ではなくてもある程度のリスクは承知のうえで飛び込むことができる人ではないかと思います。


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