キリ番(ラウンドナンバー)

サポートやレジスタンスが相場に発生することには、たくさんの理由があります。その中でも最も分かりやすいのが、キリ番です。英語ではラウンドナンバーと呼ばれています。

ドル円が100円台で推移しているとしましょう。その相場で円高が進行し、100.50を割り込んでさらに100円を目指す展開になっているとします。ここで次に投資家が節目として意識するのはどこかというと、間違いなく100円ジャストです。100円台と99円台とでは桁数も違いますので、他の101円や102円といった節目よりも、かなり強く意識されると思われます。

この場合、ドル円の直近サポートラインが100円であるということになります。さすがに100円を割り込むと買いポジションが積み上がっている場合はそのポジションで多額の損失が発生するので、投機筋からのオプション防戦といって100円を割り込まないように巨額な買いが入る可能性もありますし、もしかすると日銀も動くかも知れません。

そんな様々な思惑が交錯して、100円といったようなキリ番はサポートやレジスタンスとして強く意識されるのです。

ここまでドル円が100円台の時に100円ジャストがサポートラインとして強く意識されるという話をしました。100円台と99円台とでは桁数が違うため、他の節目よりも強いサポートラインになることも、投資家は十分考慮する必要があるでしょう。

このことは、逆にドル円が99円台で推移している時も同じです。99円台でドル高が進行している局面において、99円台後半をつけるのは簡単かも知れませんが、それが100円の大台を突破するとなるとかなりのエネルギーを要します。これはつまり、100円ジャストの節目がレジスタンスラインとして強く意識されるからです。

相場というのは面白いもので、まるで引力があるかのようにレートが動いている場面が多く見られます。100円台から100円を下に割り込んでいくよりも、99円台から100円の大台を下から突破する方が難しいと感じるのは、まるで引力に引っ張られているかのようにも見えます。

これは筆者の個人的な印象ですが、このような場合はサポートよりもレジスタンスのほうが頑丈というイメージを持っても良いのではないかと思います。



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