トルコリラ 幾度となく金融危機を克服

前回、当サイトでトルコリラが高金利なのはインフレ抑制のためであり、トルコ経済はインフレと深い関係にあると述べました。

今回は、そのインフレとの関係について解説したいと思います。

歴史が長く、強大な帝国として君臨していたトルコではありますが、経済の近代化はそれほど早くなく、その脆弱な経済が世界経済の影響をモロに受けてハイパーインフレを何度も経験してきました。

6000%というとんでもないインフレを起こしたこともあり、トルコリラで持っていた資産が紙切れになってしまうことが多々あったのです。

このままではトルコリラの通貨信用がいつまでたっても低いままなので、それを克服するために行われたのがデノミです。日本でも時折議論されるデノミとは、通貨の価値を国の取り決めによって変更することです。「今後は100円を1円として扱う」というニュアンスのもので、通貨そのものの価値が変わるわけではありませんが、ジュース1本を買うのに何億ドルも必要になるジンバブエ・ドルのような状況を回避する狙いがあります。

それでもトルコリラのインフレ状態は収束せず、そこから導かれるように実施されたのが、高金利政策です。

高金利になれば外国からのリラ買いも活発になるため通貨価値が上昇し、インフレに歯止めをかけることができます。この政策は功を奏して、トルコ経済はようやくインフレ体質から脱却して安定軌道に乗っています。

この政策が成功したこともあって、トルコ通貨当局による高金利政策は今後も続くでしょう。トルコリラでスワップを稼ぐという長期戦略は、今から始めても十分有効なのです。




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