米ドルが基軸通貨でなくなる日?

米ドルは現在、国際間の決済に最も用いられる基軸通貨です。それに次ぐ地位を占めているのがユーロで、こちらは取引量が世界2位の基軸通貨となっています。

今でこそ米ドルはこうした地位にありますが、かつてはそうではありません。

その当時に世界の基軸通貨として機能していたのは、英国ポンドです。大航海時代から世界中に植民地を持ち、世界一の大国だったのが英国なのですから、その通貨が基軸通貨になるのは当然でしょう。

つまり、基軸通貨は時代の変遷によって変わっていくということです。ということは、米ドルもいつかは基軸通貨ではなくなる日が来るのでしょうか?今では英国ポンドが基軸通貨というわけではないので、同じことが起きる可能性はあります。

その動きを象徴するような仕組みが実はすでに稼働しています。

それは、日本円と中国の人民元との直接取引です。これまでは日本と中国の貿易においても米ドルで決済が行なわれてきましたが、それぞれ国際的に存在感のある通貨同士ということもあって、円と元を直接両替できる取引所が開設されたのです。これにより、両国の貿易は米ドル抜きで完了ことが可能になりました。

今後、こうした動きが加速すれば経済的に存在感のある国の通貨が第2、第3の基軸通貨として機能するようになってくるかも知れません。



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