窓(ギャップ)

サポートとレジスタンスをマスターするための解説は、まだまだ続きます。以前に当メルマガで、直近の高値や安値がそのままサポートやレジスタンスとして意識されやすいというお話をしましたが、今回はそれに似た存在である「窓」が対象です。

この窓というのはギャップとも呼ばれ、相場の中にぽっかりと開いた穴のような存在です。急激な相場変動が起きた時、ローソク足がつながりながらレート変動の軌跡を描くのではなく、ローソク足が飛んでしまうことがあります。あまりの急激な変動によって次に描かれたローソク足が遠いところになってしまうことによって起きる現象です。

こうした現象のことを、窓(ギャップ)といいます。まるで窓が開いたように見えるとのが揺らいだそうですが、筆者はこれが窓に見えたことがありません(笑)

とにもかくにも、相場に窓が開くとそこが強いサポートもしくはレジスタンスとなります。しかも窓は相場の方向までも展望することができる優れものなので、詳しくは次回以降に解説していきましょう。

サポートとレジスタンスを知る方法として、窓を使った方法の解説をしています。
ここまでは窓についての概要でしたが、ここからはそれを使った具体的な分析方法です。

窓が開く(急激なレート変動でローソク足が飛ぶ)と、その後から相場は窓を埋めに行くということがよく知られています。例えば、ドル円が110円前後で推移しているとします。ここで急激なレート変動が起きて、ローソク足が飛んで111円にまでジャンプアップしたとします。実際にそこまで極端な変動はないと思いますが、分かりやすくそうなったとしましょう。

このドル円相場が次に目指すのは、もともとのレートだった110円です。111円を一時的につけたものの、そこから徐々に下がっていって110円になるまでその値動きを続けます。

そして、もともとのレート付近まで下がると下げ止まり、次の動意を探る展開となります。
このことから分かるのは、3つあります。

一旦窓を開けた相場が、次にどう動くか。その方向性とサポート、レジスタンスを知ることができるのは窓(ギャップ)の面白いところです。

3つのことが分かると述べましたので、ここからはその3つを解説しましょう。

まず1つ目は、前にも述べたように相場の方向性です。窓を開けた相場は面白いことに、高い確率でその窓が開く前のレートに戻っていこうとします。例では110円付近にあった相場が急変動して111円になった事例を交えて解説しましたが、この場合は111円付近に飛んで行った相場が110円の水準に戻るために徐々に円高になります。

方向が分かったところで、次に分かることは「どこまで下げるか」です。この場合だと元のレート付近に戻ると下げ止まるということなのですから、下げ相場が始まることと、110円付近に強力なサポートがあることが読み取れるわけです。

そして、最後の3つ目。窓が開いた時に飛んだレートは、その後さらに飛ぶことはほとんどありません。つまり、窓が開くほどの急激な変動をした時はそれが天井(もしくは底)だと見ることができるのです。


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